キングでは夏場はポンプを稼働させ、直接地下水を池に投入しています。
豊富な湧水ではありますが、田植え〜稲刈り前までは近隣の多くの田んぼで水を使用するため、キングの池に流れこむ湧水が減ってしまい、それをカバーするためにポンプで水を汲み上げています。
同じ地下を通った水ではありますが、性質はガラッと変わります。
ポンプで汲み上げる地下水(ここからは井戸水と呼びます。)の最大のデメリットは、湧水に比べ、溶け込んでいる酸素の量が少ないことにあります。
キングで使用している湧水は1kmほど水路や小川を通って流れてきます。その過程で多くの酸素を取り込み、魚にとって良い状態の水となりますが、井戸水は直接池に投入するため、外気に触れることがありません。
直接汲み上げる分、水温は低い状態ではありますが、溶け込んでいる酸素量が少ない水となり、魚の活性も落ちてしまいます。
また、川から湧水を直接取り込むのに比べ、ポンプで汲み上げる場合は水量が少なくなります。
外気で温められた池の水を冷やせるほどの水量がないため、池の水温は地下水よりも高くなってしまうことも特徴です。
冬の時期は湧水の水温=池の水温となるのに対し、夏の時期は井戸水の水温<池の水温となることが多いです。
そのため、井戸水を投入している時期のキングは、夏場にしては釣れている方ではあるものの、キングの本領発揮とまでは言えない状況になるのです。