

「釣り堀なら簡単に釣れるんじゃない?」
「ルアーを投げて待っていれば釣れるんでしょ?」
「料金が高い釣り場なら、その分たくさん釣れるよね?」
初めてルアーフィッシングに挑戦する方の中には、そんなイメージを持っている方もいるかもしれません。
でも、実際にやってみると、
思っていたより、釣れない。
たくさん魚が見えているのに釣れない。
隣の人は釣っているのに、自分には釣れない。
魚がルアーを追ってきたのに、直前で逃げていく。
最初は少し悔しいかもしれません。
でも、キングフィッシャーが知ってほしいのは、
だからこそ、ルアーフィッシングは面白い。
ということです。
今回は、これからルアーフィッシングを始める方に、最初に知っておいてほしいことを紹介します。
最初に、少しだけ正直な話をします。
ルアーフィッシングは、
「誰でも簡単に、たくさん釣れる遊び」ではありません。
管理釣り場には魚がいます。
しかも、目の前をたくさん泳いでいることもあります。
でも、
魚がいることと、魚が釣れることは別です。
目の前に100匹の魚がいたとしても、自分のルアーに興味を持ってくれなければ釣れません。
だからこそ、
「どこに魚がいる?」
「どの深さを泳がせる?」
「どのくらいの速さで巻く?」
「この色は目立ちすぎている?」
と考えます。
簡単に釣れないから、考える。
考えるから、少しずつ上達する。
上達するから、もっと面白くなる。
思っているより釣れない。
だからこそ、思っているより奥深い。
それがルアーフィッシングです。
「ルアーの方がエサより釣れるんですか?」
と聞かれることがあります。
答えは、
そうとは限りません。
ルアーは、本物のエサではありません。
金属やプラスチックなどで作られた「偽物のエサ」です。
その偽物を動かして、魚に、
「食べたい」
と思わせなければなりません。
逆に言えば、本物のエサではないからこそ、
釣り人がどう動かすか。
どこを泳がせるか。
どんなルアーを選ぶか。
という工夫が必要になります。
「ルアーだから簡単に釣れる」
というより、
「どうやったら魚に食べてもらえるかを工夫することがルアーフィッシング」
と考えてみてください。
管理釣り場の料金を見て、
「エサ釣りより料金が高いから、その分簡単にたくさん釣れるのでは?」
と思う方もいるかもしれません。
でも、料金と釣れやすさは単純に比例するものではありません。
管理釣り場のほとんどは、
えさ釣り場とは比べ物にならない規模感で運営しています。
魚の放流。
水質管理。
施設管理。
釣り場の整備。
安全管理。
さまざまなものによって釣りを楽しめる環境がつくられています。
ただし、その場所で魚を釣るのは釣り人自身です。
「お金を払ったから釣れる」
ではなく、
「釣れる環境の中で、自分で一匹に近づいていく」
のがルアーフィッシングです。
だからこそ、自分で考えて釣った一匹には価値があります。
岸に立っている釣り人を見ると、
「のんびりしているな」
と思うかもしれません。
でも、実際の釣り人の頭の中は、かなり忙しいです。
例えば、
「さっきは表層で追ってきた」
「でも今は追わなくなった」
「少し深くしてみよう」
「巻く速さを落としてみよう」
「まだ追うけど食べない」
「じゃあカラーを少し地味にしよう」
「今のアタリは小さかった」
「もう一度同じところを通してみよう」
こんなことを考えながら、何度もルアーを投げています。
つまり、
釣り人の脳内は、常にフル回転。
待っているだけで魚が勝手に釣れてくれれば、こんなに楽なことはありません。
でも、そう簡単に釣れない。
だから、
「次はどうする?」
と考える。
この試行錯誤こそ、ルアーフィッシングの大きな魅力です。
ルアーフィッシングは、世界中でスポーツとして楽しまれています。
キャストする。
ルアーを操作する。
魚の反応を観察する。
状況を判断する。
魚を掛ける。
やり取りをする。
ネットですくう。
そこには、技術があります。
だから、
一回来ただけで全部できるようになる必要はありません。
最初はうまく投げられない。
巻く速さが安定しない。
アタリがわからない。
魚が掛かっても外れてしまう。
それで普通です。
スポーツと同じように、
何度もやることで少しずつ上達していきます。
前回より遠くに投げられた。
前回より魚の反応がわかった。
前回は釣れなかったルアーで釣れた。
そんな小さな成長を感じられるのも、ルアーフィッシングの楽しさです。
初めて管理釣り場に来た方の中には、
「魚は釣ったら地面に置くもの」
と思っている方もいるかもしれません。
テレビや昔の釣りのイメージでは、魚を手で持って写真を撮ったり、地面に並べたりする場面を見ることがあります。
でも、管理釣り場ではルールや考え方が異なることがあります。
特にキャッチ&リリースを前提とする釣り場では、魚をできるだけ傷つけずに水へ戻すことが大切です。
そのため、
魚を陸に上げない。
必要以上に素手で触らない。
決められたネットを使う。
魚を長時間水から出さない。
などのルールが設けられている場合があります。
本人に悪気がなくても、
「知らなかっただけでマナー違反になっていた」
ということもあります。
初めて行く釣り場では、釣りを始める前にルールを確認してみてください。
ルールを守ることは、
魚を守る。
周りの釣り人を守る。
そして、自分自身も気持ちよく釣りを楽しむことにつながります。
「3時間だけ釣りをしてみたい」
「旅行の途中で少しだけ体験したい」
という方も多いと思います。
そんな方にこそ、おすすめしたいのが、
来場前の予習です。
現地に着いてから、
受付方法を調べる。
ルールを読む。
道具の使い方を覚える。
ルアーの付け方を調べる。
投げ方を覚える。
としていると、あっという間に時間が過ぎてしまいます。
特に短時間で楽しみたいなら、
来場前に、
「どうやって投げる?」
「どうやって巻く?」
「釣れなかったら何を変える?」
くらいは知っておくと、かなり違います。
釣りは、始める前の準備も大切です。
予習をしておけば、現地では「考えて釣る時間」を増やせます。
初心者の方から、
「家に釣り竿があるんですが、それでできますか?」
と聞かれることがあります。
もちろん、使えるものもあります。
でも、
釣り竿なら何でもいいわけではありません。
釣りには、それぞれの魚や釣り方に合った道具があります。
例えばエリアトラウトでは、比較的軽いルアーを使います。
そのため、重いルアーを投げるための硬いロッドでは、ルアーを投げにくかったり、魚の小さなアタリを感じにくかったりすることがあります。
道具が合っていないだけなのに、
「自分が下手だから投げられない」
と思ってしまうこともあります。
最初は、エリアトラウト用として用意されたレンタルタックルを使ってみるのもおすすめです。
初めて釣り場に来ると、
周りの人が次々と魚を釣っている。
隣の人はルアーをたくさん持っている。
すごく遠くまで投げている。
そんな光景を見て、
「自分も同じくらい釣らなきゃ」
と思ってしまうかもしれません。
でも、その必要はありません。
その人たちも最初から上手だったわけではありません。
何度も釣り場へ来て、
釣れない経験をして、
考えて、
試して、
少しずつ上達してきたはずです。
初めてなら、
まず一匹。
次に、
「なぜ今の一匹が釣れた?」
と考えてみる。
それだけでも十分です。
ルアーフィッシングでは、
釣れない時間があります。
でも、その時間をどう考えるかで、釣りの面白さは大きく変わります。
魚が追ってきた。
途中でやめた。
直前で見切った。
アタリがあった。
少し深くしたら反応が増えた。
カラーを変えたら魚が動いた。
魚が釣れなくても、そこにはたくさんのヒントがあります。
だから、
「釣れなかった=何もできなかった」
ではありません。
魚から返ってくる反応を見て、
次はどうする?
と考える。
その時間も含めてルアーフィッシングです。