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キングの「水」の秘密

キングならではの特性に迫る

チェックすべき項目

■キングの水の正体は「湧水」
■湧水の最大の特徴は水温が安定していること
■突き詰めると面白いキングの水の特徴

1)キングの水の正体

早速の自慢で恐縮ですが、おそらく、1年中ニジマス釣り・ブラックバス釣りの両方が楽しめるエリアは全国でもここだけしか無いと思います。

ブラックバスはある程度どんな水温でも生きていけますが、ニジマスに関しては、適水温がシビアで、8度〜18度を外れてしまうと、本当にどうしようもなく釣れなくなってしまいます。

キングの水温はどれだけ寒い日でも水温9度を下回ることはなく、どれだけ暑い日でも18度以上になることはありません。だからこそ、1年中釣りが楽しめるエリアを維持できているのです。

こんな素晴らしい環境を支えているのは、エリアに流れている「水」です。

見かけでは、川や水路を流れる川の水を引き込んでいるように見えますが、実はキングに流れている水の正体は「湧水」なのです。

通常、湧水というと、「深い山奥で岩がゴロゴロしているところで1滴ずつ垂れてくる水」みたいな映像を思い浮かべるかもしれませんが、平地だらけのキングフィッシャー周辺地域には100ヶ所以上の湧水地があるとされています。

ではなぜ、こんなにもこの地域は湧水が多いのか。

次の項で水の秘密に触れていきましょう。

2)なぜキング周辺は湧水が多いのか。

キング周辺の地名をあげていきます。

まずはキングの位置する「乙連沢(おとれざわ)」、隣にあるのは「市野沢(いちのさわ)」、少し離れて「奥沢(おくさわ)」、「富池(とみいけ)」、大田原市全域で見ると「桧木沢(ひのきざわ)」「滝沢(たきざわ)」「平沢(ひらさわ)」など、いかにも水が多そうな地名が並びます。

余談ですが、私の祖父は、「養魚場を作るなら、地名に『沢』と入った場所に作りなさい。そうすれば水に困ることはない」と言われたことから、キングの元になったこの地に養魚場を建てたそうです。

では、なぜこんなにもこの地域には水に関連する地名が多いのか。それは、この地域が「那須野ヶ原扇状地」の端に位置するからです。

「扇状地」という言葉は、学校の授業で習った記憶があると思います。

扇状地とは、川が山から流れ、平地に出ることによって山から運ばれた土砂が扇状に堆積し、できた平地のことを呼びます。

扇状地は山に近いところから、扇頂、扇央、扇端に分けられ、扇央では水はけが良すぎてすぐに水が地下に浸透してしまいますが、扇端ではその染み込んだ水が地表に出てきます。

まさに、キングフィッシャーが位置する場所は扇端であり、こうしたことから、平地でも潤沢な湧水の恩恵を得ることができるのです。

3)湧水のメリット

湧水にはさまざまなメリットがあります。

①水温が安定している
地下に潜るため、外気の影響を受けにくく、年間通して水温が10度前後にキープされています。

②水質がきれい
地下に潜る際にしっかりと濾過された水は透明度も高く、見るだけでも癒されるほど綺麗な水となります。

③供給量が安定している
夏時期は農業のために水量が減少することはありますが、湧水の総量が大きく減少することもありません。
また、流れこむ雨量も限られており、大規模な河川の氾濫も起きにくいです。

以上のことから、キングフィッシャーは年間通してクローズもなく、安定した釣果を出すことができる釣り場なのです。

4)夏場ポンプ動かしてない?

キングでは夏場はポンプを稼働させ、直接地下水を池に投入しています。

豊富な湧水ではありますが、田植え〜稲刈り前までは近隣の多くの田んぼで水を使用するため、キングの池に流れこむ湧水が減ってしまい、それをカバーするためにポンプで水を汲み上げています。

同じ地下を通った水ではありますが、性質はガラッと変わります。

ポンプで汲み上げる地下水(ここからは井戸水と呼びます。)の最大のデメリットは、湧水に比べ、溶け込んでいる酸素の量が少ないことにあります。

キングで使用している湧水は1kmほど水路や小川を通って流れてきます。その過程で多くの酸素を取り込み、魚にとって良い状態の水となりますが、井戸水は直接池に投入するため、外気に触れることがありません。

直接汲み上げる分、水温は低い状態ではありますが、溶け込んでいる酸素量が少ない水となり、魚の活性も落ちてしまいます。

また、川から湧水を直接取り込むのに比べ、ポンプで汲み上げる場合は水量が少なくなります。

外気で温められた池の水を冷やせるほどの水量がないため、池の水温は地下水よりも高くなってしまうことも特徴です。

冬の時期は湧水の水温=池の水温となるのに対し、夏の時期は井戸水の水温<池の水温となることが多いです。

そのため、井戸水を投入している時期のキングは、夏場にしては釣れている方ではあるものの、キングの本領発揮とまでは言えない状況になるのです。

4)まとめ

毎年、井戸水への切り替えは4月中ばごろです。もう残すところ2ヶ月程度となり、土日換算では10回程度しかありません。

キングの釣果がMAXとなるのは井戸水に切り替えるまでの期間となります。今シーズン、このまま終えてしまっていいのでしょうか。

キングは夏だけ行く釣り場としている方も多いですが、本当にもったいない!ぜひ釣れ釣れのキングに遊びに来てください!

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